-sae side-

あと、10分で10時…。
早くジルに会いたい。
そんな想いが溢れてくる。

「お迎えにあがりました、プリンセス」

「………ジルっ、会いたかった」


1番愛おしい人の顔がドアから
のぞいて思わず抱きついてしまった。


「っあ…ごめん……」

「……さえ様、いけません…」

「さっ、散歩行こ……」





ジルが連れてきてくれたのは
ロベールさんが管理している
温室だった。

程よく月明かりがさして、
夜の温室はとてもロマンチックな
場所になっていた。