「あの、ルール……忘れてないよね」

「ええ、もちろん……」

「その感じは、惚れてるね」

「ーーーーっ」

”教育係とプリンセスは恋愛関係になってはいけない”
頭の中で、何回このルールを唱えたことか。

「ジル、俺は普段からジルにお世話に
なってるよね」

「恐縮です」

「ロベールさんにお願いしておいたよ。
温室の裏部屋、知ってるよね?」

「……ええ」

「今日の夜、そこを貸してくれって。
快く快諾してくれた。俺からの、
日頃の感謝だよ。あそこなら、誰にも
バレないでしょ。」

「レオ…貴方って人は、まったく」

「あれ〜?いい事したつもり
なんだけど?」

「ありがとうございます」

お礼を告げると、レオはじゃあねえ〜
と執務室から出て行った。