小学生の頃、それまで順調だった父の経営する会社が倒産した。そして家族は、いわゆる大金持ちの生活から一転奈落の底へと突き落とされる。
まず、通っていた市立の小学校を転校、当然のようによそ者の真冬はイジメの標的になった。さらに両親の離婚。母親に連れられ暮らし始めた家は小さなアパートだった。真冬と母親、そして幼稚園に通う妹の三人が暮らすには狭すぎる部屋。床は軋み、線路沿いにあるため終電の正午頃まで眠れない毎日だった。