「花火かぁ…綺麗な景色が見えるよ」
高田がしんみりと言うから、僕は笑ってしまった。ボサボサの頭で、バイトまでサボって、わざわざ僕の長い話に付き合ってくれてる。ほんと不思議な奴だな、と思った。
「なんだよ? また気持ち悪いか?」
「いや、ありがとな」僕は照れながら答えた。
「何が?」
「…なんでもないよ」
「なんだよ、それ」
僕は大きく伸びをする。そして深呼吸。一連の動作を見届けて高田が話し掛けて来た。