唇に、唇を感じた。ほんの一瞬だけれど、本当にたった一瞬だけれど真冬の体温が直に伝わった。唇から唇、そして僕の体へ。何も言わずに、僕等は空へ打ち上がる最初の花火をじっと見ていた。僕は真冬の汗ばんだ手をぎゅっと握り締めた。