そして震えた女の子の声が耳に入った。
「真冬」口を開いた真冬に、僕は顔を向けた。
真冬は目を閉じて、息をひとつ吸って続けた。
「あれが本当の真冬」
「………」
「これも、本当の真冬」
空は既に真っ黒なキャンバスに変わっていた。僕等が座る土手をくだった所にある色々な屋台の明かりだけが、その時の真冬を視界に捕える為の頼りだった。
「真冬」口を開いた真冬に、僕は顔を向けた。
真冬は目を閉じて、息をひとつ吸って続けた。
「あれが本当の真冬」
「………」
「これも、本当の真冬」
空は既に真っ黒なキャンバスに変わっていた。僕等が座る土手をくだった所にある色々な屋台の明かりだけが、その時の真冬を視界に捕える為の頼りだった。