「あ、お疲れ様です。高田ですけど、甲斐さんですか? …はい。いや、実は、今永井と一緒なんですけど、永井が気分悪くして吐いたんですよ。…はい。そうです。…はい。だから、僕心配なんで、家まで送ってやりたいんですが。はい。…あっ、はい、判りました。また連絡しますんで。はい、失礼します。…これでよしだ」
「来年、アカデミー賞でも狙うか?」
「主演男優賞か」
「僕が主演だ。お前は助演」
僕は笑って、携帯をポケットに直す共演者を見ながら続きを切り出した。
「来年、アカデミー賞でも狙うか?」
「主演男優賞か」
「僕が主演だ。お前は助演」
僕は笑って、携帯をポケットに直す共演者を見ながら続きを切り出した。