『桜花さっき遅かったじゃん。どしたの?』




『……水崎くんとアドレス交換してました。』




小声でそう伝えると、麗奈ちゃんは目を見開いた。




『へ?!』





『…しっ!麗奈ちゃん声が大きいよ…。私だって好きでしたんじゃないよ…』




『どんな経緯で?!』





『…なんか、空の写真撮ったら、送ってって…』





麗奈ちゃんはノートを取りながら、ふむふむ、っと話を聞いている。


私はと言うと、メールを送らなければならないという現実から逃げたくて、落ち込み中。




『ねぇ、水崎さ桜花のこと狙ってんじゃない?』




『…ね、狙ってる?』





『ほら、桜花可愛いから。』





『…そんなこと、ありえないよ。考えたくもない。』




苦手な人に好意を持たれてるなんて…、考えたこともない…。