その後水崎くんのおかげで話し合いはスムーズに進み、すぐに終わった。



『じゃー学級委員、それ委員会に提出して来て。他の奴らは自習なー。』




『あ、じゃあ私出してくるから…、自習してていいよ。』




私は水崎くんに声をかけて廊下に出る。




『…はぁ〜。』




苦手な人と話すのってこんなに疲れるんだ。




『…まって、俺も行く。』




『へ、なんで…』




『一応学級委員だし。西山さんと話してみたかったし。』



サラッとそんな事言うから、ちょっと引き気味になる。



『…水崎くんって変わってるよね。』




『初めて言われた。みんな、かっこいいね。とか優しいね。とかだからさ。』



『…水崎くんが優しい、…ない。』




『心の声ダダ漏れすぎ。まぁ、自分でも優しいなんて思ってないよ。』



そう言って首をコキコキと鳴らす。





『西山さんは、俺のこと嫌いでしょ?』




『…え、と、嫌いっていうよりは苦手なタイプ、と言いますか…』



『正直だね。まぁそりゃこんだけ人がいたらそんな人もいるよね。』



『…はぁ。』





水崎くんは何が言いたいんだろう。




『西山さん、好きなヤツいる?』




『…いないよ?』




『そか。あ、職員室。俺だしてくるよ。貸して。』



『ありがとう。』




提出用紙を渡すと、職員室に入っていった水崎くん。
私は窓の外を眺め、


『綺麗…』



今日は特別、空が綺麗に見えた。