『西山ー、遅刻だぞー。罰として資料俺の机から取ってきて。』




『…はい。』







水崎くんは何事もなかったかのように、席に座っていた。








私は職員室に行って資料を手に取ると、廊下に出た。






私の目に写ったのは、
別棟の不良グループで有名な榊原潤。








目、合わせないように行こう。







『…なぁ。』






『…え、はい…』






『あんた、3組の西山桜花だろ?』






『…へ。』









なんでこの人が私の名前を知っているのか、わからなかった。



彼は有名で学年中の人が知っているほどだったけれど、私は隅の方で過ごしてるから。












『…あの、なんで私を、』







『あの、水崎が興味を持った女だって有名だよあんた。』





『…水崎、くん。』









私が有名になった理由は1つ。






『水崎桜月に好かれた女』





これから、学校生活が不安で仕方が無いけど、
この人たちはどうして私に声をかけたの?









『これからさ、ちょっと付き合ってくんね?先輩がさあんたのこと見たがってんだわ。』





強引に腕を引っ張ってくる榊原。
抵抗はするけどやっぱり男の人の力には叶わなくて。








『おい。』







『あ?』







『その子は関係ねーだろ。てか、勝手に連れてくなよ。』








私の腕を引っ張り榊原から解いてくれた。








『水崎、くん。』






『大丈夫?一緒に行けばよかったね。』







『お前さ、前から調子乗ってんなよ?』






『は?調子乗ってるのはそっちだろ。とにかく、西山さんは関係ないから今後一切絡むな。』








そう言って私の手を握ってその場を
立ち去った…。