《ガラガラ》
『……』
どうしよう。
来たのはいいけどなんて声かけていいかわかんない…!!
『…ぁ、の』
『…俺だってさ、恭介が西山さんのこと好きになるなんて思ってねーよ。』
えっ…?
急に話し始めた…
私のこと加藤くんと思ってるの…?
『けど、西山さんすげー可愛いし…なのに分かってねーし。』
『……。』
『…昨日だって家まで送りたかったのに。恭介とはスーパーで遭遇って、羨ましくなる。』
こんな、水崎くん初めて見た。
いつも、余裕があると思ってた。
『…俺、本気で西山さんが好きだ。…恭介協力してくれるか?』
水崎くんが振り返る。
『…あっ、の』
『…え、西山、さん?』
お互いの思考が停止する…
『…ごめん、あの、聞くつもりなかったんだけど…、加藤くんにいけって言われて、』
『…さっきの、聞いてた、よね?』
下を向いて顔を赤くする水崎くん。
『…うん。』
『…俺、遊びじゃないから。西山さんのこと好きだ。…俺と付き合ってほしい。』
でも、私水崎くんのこと、
好きなのか分からない…。
『…あの、私水崎くんへの気持ちが、わからなくて…』
『じゃあ、試しに1ヶ月。付き合ってみない?』
思いがけない言葉に
顔を上げると、
水崎くんは、まっすぐにこっちを見ていた。