『別に誰にでも言ってるわけじゃないよ。』
『え?』
『…ほんとに気になった人にしか自分からは言わない。』
その言葉が聞き間違えだと思いたくて、水崎くんを見る。
水崎くんは寒そうに遠くを見ていた。
『西山さんどこ?家。』
『え。いいよ!駅までで十分だよ。』
『ダメだよ。不審者危ないし、西山さん可愛いんだから。』
『そんなことないよ。大丈夫だよ?』
それに…周りの女の子たちからの視線が痛い…。
『あー…、周りの目気にしてる?』
『へ?あ、…まぁ。』
『じゃあ今日は駅までにしとく。西山さん困らせたくないし。』
水崎くんは何を考えてるんだろう。
私の考えてることが見えてるみたいに、
察してくれる。