だけど。

そこにいたのはヒロだけじゃない。



大樹のお兄さん、裕貴さんも一緒だった。



ちぃちゃんの後をしっかりとついてくる裕貴さんに、さらにその後ろを歩くヒロに、なんだか違和感を覚えた。



開いた口を閉じるのも忘れて、あたしは伏し目がちに歩くヒロの姿を見つめてしまった。




だって―――……





ちぃちゃんは、あたしの視線に気がついて、少しだけ眉を下げると困ったように笑った。






「ごめんね？
無理矢理、連れてきちゃった」



「え？」






まるでいたずらっ子のように、楽しそうに頬を緩めたちぃちゃん。





……無理矢理って……。





「お、 いたいた。 探したよ～、ユイちゃん」



そう言って、ひょこっとちぃちゃんの後ろから顔を覗かせた裕貴さん。



まるで、太陽のように明るい声であたし達の顔を交互に見た。



「やっぱり奈々ちゃんと一緒だった。 で？君ら今、当番でしょ、何サボってんの？」



「………」





あのー……？