教室に入って一番始めに
目に入ったのは隣の席の増田美穂。
化粧がなんしろ濃いため目立つのだ。
今日の朝、
そんな増田が急に話しかけてきた。
「波原ってさあ、カノジョ居んの?」
増田の問いかけに戸惑う私。
「居ねぇの?そんな美形なのに?」
「ま、まだ何も言ってねぇだろ!・・・居ないけど。」
(でも女子と付き合うなんて絶対無理!)
「キヨが『振られたー!』って嘆いてたよ。好きな人でもいるの?」
「いないけど!」
「じゃあ付き合ってあげなよ?」
(『じゃあ』って・・・)
「お、俺はそんな半端な事したくないの!」
「キヨかわいそー!」
私は女の子になったこと無いから
わからないけど、最近の女子って
付き合うのが目当てなの?
軽いなぁー
・・・って、そんなことはさておき。
この増田が持ってるコスメポーチ・・・
最近私はそればかりに目がいってしまう。
グロス、マスカラ、ファンデーション
アイライナー、ラメ?
ごちゃごちゃしたポーチの中身は
ごちゃごちゃした英単語ばかりだ。
そんなポーチは私の憧れ。