「あぁ、分かったよ、死ね」

 そう言った瞬間、絞める手に力を込め

た。

 その時、秀太の手と足はだらんとぶら

下がった。

 何が起きたのか、把握する時間もなく

悲鳴が上がる。

「柊、止めなって!柊!!」

 その悲痛な悲鳴に振り向くと、甲柊が

窓にまたがって叫んでいた。

「嫌!私には死ぬ義務があるの!好きな

人が死ぬよりはいい!」

 柊の言い分は分かる。

 好きな人がこんなところで死ぬより

は、自分が死んでこの場を乗り切ろうと

思っているのだろう。だけど、あまりに

も無謀だ。