「やっぱり久田くんも一緒に食べない？」

「俺はいいよ」


亜希の問いかけにも素直に答えた久田くんが、物を持ったまま教室から出て行ってしまった。

亜希は悪いことをしてしまった、と申し訳ない表情を浮かべている。


「亜希、せっかく久田くんが席譲ってくれたんだし、お弁当食べよう！」


「私、久田くんに悪いことしちゃったよね？
だってまだお弁当食べかけだったのに…」


「亜希は何にも悪いことしてないよ！
久田くん、転校してきたばかりだし、まだ慣れてないだけだよ
だから、亜希が気にすることないって！ね？」


「そうだよね
よし！お腹すいたから、今日もたくさん食べるぞぉー」


亜希は細身な体型にも関わらず、よく食べる。
お寿司だと20皿は余裕で食べれるらしい。

食べる話になると目をキラキラと輝かせ、すごく嬉しそうに話す。

私もそんな亜希と放課後にクレープ食べたり、ドーナツ食べに行ったりするのが幸せ。



だからなのか、最近少し太ってきた…。