ゴーストくらい世界中の戦場や紛争地帯をあちこち行ったり来たりしていると、そこら中に顔見知りが出来る。

特殊部隊の隊員にも、知己は少なくない。

アメリカ海軍特殊部隊のSEALsやアメリカ陸軍の第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊、通称デルタフォースは世界屈指の特殊部隊だし、アメリカ陸軍の歩兵連隊である第75レンジャー連隊は特殊部隊の支援を担当する事も多く、この部隊も特殊部隊と扱われる事も多いほどの優秀な部隊だ。

だがそんな中、アメリカ陸軍特殊部隊群…通称グリーンベレーには、ゴーストはあまりいい印象は持っていない。

それはゴーストが嘗て籍を置き、仲違いして除隊したという個人的感情が絡んでいるからに他ならない。

特に上官のマクガレン・フォードとマリオン・スチールメイルという隊員は鼻持ちならない奴だったが。

しかしそれでも、ゴーストほどの男が一目置く隊員もいた。

それがバニング・ロス。

ナイフ捌きはグリーンベレーの中でもトップクラスだったし、ジャングルに身一つで放り出しても、1ヶ月は平気で生き延びるようなサバイバル能力に長けた兵士だった。