厳重な施錠を開錠し、バニングは第4独房棟へと入れられた。

「終わったらブザーを押せ」

前回と同じく、看守達は施錠して立ち去っていく。

デッキブラシとバケツを手に、バニングは奥へと進んだ。

「…またお前か」

鉄格子の向こうから、マリオンが声をかけてくる。

「随分貧乏籤引かされてるみたいじゃねぇか。それとも、ここが気に入ったか?代わってやってもいいぜ?」

軽口を叩きながら、マリオンはバニングの持ち込んだバケツを見る。

…ゴム手袋が掛けられている。

「よぉバニング」

マリオンは声をかける。

「俺の独房の前、よく掃除してくれよ」

「……」

無言のまま、マリオンを見るバニング。

「俺は綺麗好きなんだよ」

「……」

バニングは、マリオンの独房の前をデッキブラシで擦り始める。

と。