翌日。

「バニング」

労働の合間に昼食をとっていたバニングのもとに、レイザーがやってきた。

「第4独房棟の清掃だ、ついて来い」

「何?」

バニングは思わず問い返す。

「何故俺ばかりやらなければならない?」

そう言うバニングに対し。

「おい」

レイザーは特殊警棒をバニングの胸に突き付けた。

「貴様は虫けらで、王様は俺だ。王様に口答えする虫けらがいるか?ツベコベ言わずに黙ってついて来い、間抜け」

レイザーは有無を言わさず、数人の看守と共にバニングを第4独房棟へと連行した。

バニングに第4独房棟の清掃を任せたのは、嫌がらせの意味ともう一つ…あの独房棟から生きて帰ったのは、彼が初めてだったからだ。