後にこの時の事を記事にしたアレックスは、こう綴っていた。

とあるロシア大統領を評したブラックジョークを捩ったものだ。

『It can probably be said that BANING was negotiated for very friendly. Because they still live.(バニングの交渉は極めて友好的に行われたといえるだろう。彼らはまだ生きているから)』

…マクナイトも、マットも、ジェフも。

全員息があった。

それどころか出血すらしていなかった。

彼らを撃ち抜いた弾丸は、全てゴム弾。

警察や軍隊で大型獣の撃退や暴動鎮圧、訓練用に使われる非致死性兵器の一種だった。

至近距離から発射すればプロボクサーのパンチ並みの打撃を与える為、当たり所によっては死傷する事も有り得、実際に頭部や腹部への至近距離射撃を受けて死亡したり、後遺障害を受けたケースもあるものの、マクナイト達は運よく気絶しただけで済んでいた。

まぁ、打撲や骨折はしているかもしれないが。