「……」

バニングはアレックスの横顔を見る。

確かに身に付けている装備も、身のこなしも、マクナイト分隊とは違う。

従軍記者というのは嘘ではないだろう。

首にも取材許可証をかけている。

「どうするバニング」

歩み寄ってきたヒューが訊ねる。

「……」

無言のまま、しばし考えた挙句。

「向こうの木に若造を蔦で縛り上げている…自由にしてやってくれ」

そう言い残して、バニングはヒューと共にジャングルの中に消えていった。

「……」

凄まじい殺気から解放され、アレックスは思い出したように呼吸をした。

腰を抜かしたり失禁しなかっただけ、彼はマシだ。

呼吸を整えた後、彼はバニングに言われた通り、木に縛られているグライムズを発見、解放する。

…生き残ったのはアレックスとグライムズの2人だけ。

彼らは死んだ仲間でも絶対に置いて行ったりしない。

全員遺体になっても連れて帰る。

沈痛な面持ちで、2人は倒れた仲間達を回収して回る。