皆殺し。

マクナイト分隊が全員殺された。

戦慄するアレックス。

そんな彼の背後にも。

「!?」

バニングがいつの間にか忍び寄っていた。

腰のナイフホルダーから抜いたアーミーナイフを、喉元にあてがう。

「お前…兵士じゃないな…何者だ?」

囁くように言うバニングに。

「従軍記者だ…部隊に同行している…」

目を閉じて、振り向く事なくアレックスは言う。

彼も修羅場を潜り抜けてきたジャーナリスト。

辛うじて声を震わす事だけは抑えたが、それでも死を覚悟し、観念したように身じろぎもしない。

既にナイフを喉にあてがわれているのだ。

抵抗するよりも早く、喉笛を掻き切られる事だろう。