信じられない。

離れた位置で戦闘を見ていたアレックスは、愕然としていた。

第四次世界大戦の英雄、タスクフォースのマクナイト分隊が、次々と射殺されていく。

レンジャーにデルタフォース。

確かに彼らはジャングル戦の専門家とは言えない。

しかしそれでも、こうも容易く…。

「っ…っっ…」

歴戦の名将、マクナイトがM16A2を手に周囲を警戒する。

だがその姿に、普段の冷静さはない。

マット、グライムズ、ジェフ。

部下は全員殺られてしまった。

碌に発砲すらさせてもらえず、敵影を捕捉すらできずに殺された者もいる。

これが元グリーンベレー。

これがバニング・ロスの実力か。

完全に狼狽し、前方にばかり気を取られているマクナイト。

その背後の草むらから。

「……」

グロック17を手にしたヒューが、音もなく姿を現す。

彼はマクナイトの首筋に銃口を突き付け。

「少佐!」

見ていたアレックスが警告するよりも早く、首筋を撃ち抜かれて倒れた。