それは、突然だった。

「!!!!」

茂みからフルオートでの発砲!

一所に固まっていたマクナイト達は、素早く散開する!

「M4?いや、ノベスキーN4か!」

走りながらマットが言う。

ジェフは銃撃のあった方向から敵の位置を特定し、M4カービンで走り撃ち!

しかし当然、敵も一ヶ所に留まっている筈がない。

ジェフの撃った弾丸は、木の幹を叩くだけだった。

「あまりちらばるな!1人になったら敵の思う壺だぞ!」

マクナイトが叫ぶ。

固まり過ぎず、だが散開し過ぎずの位置で、各自が身を潜める。

マットは息を乱していた。

何だこの敵は。

戦闘中、身を隠す事はよくある。

居場所の分からない敵との銃撃戦になった事など、一度や二度ではない。

が、『見えない敵』との交戦は初めてだ。

身を隠しているのではない。

『肉眼に映らない敵』

ジャングルに同化して、何処にいるのか全く分からない!

四方八方に視線を走らせるマット。

そんな彼の脇腹を。

「がっ!」

ノベスキーN4の弾丸が撃ち抜いた。