「この大福美味しいですね…!」

「お兄さんの作った大福だからね〜今度行ってみる?」

私は今、私の担当編集である。【松田直人(まつだなおと)】と、打ち合わせという名のお茶会をしていた

松田とは、作家と担当編集という間柄もあり、それなりには仲もよく、家に寝泊まりする事もある。

「ところで藤咲さん、小説書き終わってますか?」

「……ま、まぁ…いつもどおり、だけど…」

ちなみに私は、〆切を守らない事で有名なのだ
そのため、松田は、「あぁ、またか…」みたいな死んだ魚のような目でこう言った

「あぁ…まだなんですね」

「…うん。またいつもみたいに怪奇現象がおきたら、問題なく書けるんだけどね」

そう、私はどういうわけかなんか色々な怪奇現象に巻き込まれる。
正直、死にかけた事だって何度かある。
でも、この出来事を小説にすると、リアルな感じに書けるし、内容自体、悪くないため、かなり人気なのだ。

だが、怪奇現象といっても、内容は様々だ。夢の中でだったり、旅行中にあったり、友人に探偵や警察がいて、その手伝いをしたときなど、色々である。

「それ、たまに僕達も巻き込まれるんですよ⁉︎」

「まぁまぁ、あ!」
気がつけばもう夕方の5時になっていた。
「松田、散歩の時間だからついでに送るよ」

「え…?でも、」

「ついでに今日食べた大福買った店行こう!」

「行きます」

「じゃ、行こっか」