始まりは、夏のこと。


職場の仲間と飲みに繁華街へ繰り出した。良い感じに酔っぱらって、明日も仕事があるからと解散となり歩いてマンションに帰るときのことだった。


たまたま入ろうとしたコンビニの前にあるベンチに座って、アイスを食べていた女。それがレナだった。


深夜によく分かんねえ鼻歌を歌いながら、機嫌良さそうにアイスを食べている女なんてそうはいない。


しかも、美人。


コンビニに入り、煙草と水を買い外に出れば案の定レナは絡まれていて。


それを助けたのが、俺だった。


もちろん、下心ありで。


『おにーさん、名前なんて言うの?』


『颯真』


『そーま?カッコいい名前だねえ。あたし、レナだよ』


『レナ……』


『そう、ねえ、今から颯真の家に行っても良い?』


『……………は?』