〜 ミーケ視点 〜
「ヨセフくん……」
私は、項垂れている糞王子を見下ろしながら考えていた
先ほどの糞王子の様子からして……
糞王子は、ヨセフを好きになった…?
あの糞王子が?
ヨセフを?
「糞王子、いつまでそんなところに座り込んでいるのですか?
他の方々が見ていますよ」
「ヨセフくん………」
はぁ……
まったく……
私は、糞王子の腕を取り肩に担いで
近くの椅子に座らせた
皆様には、王子の体調がすぐれないと伝えパーティーはお開きにした
皆様方が帰った後でも、糞王子は正気に戻らなかった
「糞王子」
「ヨセフくん……」
うぜぇ……
なんだ、これ……
イライラしてきた
「糞王子、ヨセフが好きなのですか?」
「うぅ……っ…ヨセフくん…」
糞王子の頭の中は、ヨセフのことでいっぱいだった
「ヨセフ……糞王子のこと好きだとおっしゃっていましたよ?」
「ほ、ホントですか!?お兄様…っ!」
あーあ、なんだこれ……
マジ、うぜぇ……
正気に戻ったのはいいが……
かなり、ウザい感じになってる
「嘘に決まってんだろ、クズ!」
「うぅ…っ…」
糞王子は、俺の言葉に泣き出して
子どものように泣き出して
本当に苛ついた
「分かってるよぉ……
いきなり抱きついたら…
嫌われることくらい……
だけどぉ……
好きになっちゃったんだよぉ……
ヨセフくんが男でも……好きなんだよぉ…
可愛いんだよぉ……可愛い……」
「は?」
この糞王子は、何を言っているんだ?
ヨセフが男?
ヨセフは、女だぞ
コイツ、勘違いしているな…
まあ、いい……
ヨセフと糞王子がくっついたりしたら
俺はコイツと血縁関係になる
それは避けたい
絶対にコイツの血縁関係になるのは嫌だ
でも、ヨセフが姫になれば
俺は、コイツやあの糞王を支配することが出来るな?
フッ……仕方ない…
糞王子の恋に協力してやるか…