は、始まりって、つまり…


「…心配なんて、する必要なかったんだ」


なんとなく、南の言いたいことが分かった。もう、想いはお互いにひとつだったんだ。


けど、お互いにそれに気付けなくて…


「ど、どういうこと…?」


あ、これワザとだな。でも、せっかくだから、素直に答えよっと。


「初恋は…叶わないって言うでしょ? だから、僕の初恋もそうなのかなーって。実際、そんな雰囲気もあったし」


「そ、そんな、雰囲気…?」


「三浦だよ。冬休み明けてから、急に三浦が南と話すようになったでしょ?」


「あ、あれ…。あれね、芝居だったんだって」
「え…。そうなの⁈」


「そうだよ…。あ、でも、健こそ中村…、いや、何でもない…」


「…中村先輩…でしょ?」


「うん…」