「南…」


「…え?」


「やっと…やっと思い出せた」


「な、何を…?」


「記憶さ」


「…ホ、ホント…⁉︎」


「ウソじゃない。 ホントだよ、南」


「…う、ううっ…。よか…った、よか…った…ね。…たけ…ううっ…しぃ…!」


「…うん、ホントよかった」


みんなにも、伝えなきゃ。精一杯の感謝の気持ちをね。


「…みんな、遅くなってゴメン。僕やっと思い出せたよ! 自分が誰なのか、みんなが誰なのか、やっと分かったよ!」


「ほ、本当か⁈」


みんな驚きの表情を見せたと同時に、周りに集まってきた。


「うん、本当だよ。えっと…、青木に中村、長谷川と丸井だろ? そして…南!」


「う、浦上…!「浦上くん…」」


抱き合ったりなんかして、みんなで感動を分かち合った。


状況的に、ほぼ完全に記憶が戻るのは、奇跡に近いらしい。