なんて考えてたら、あっという間に家まで来ていた。


考え事してると、時間ってあっという間だよね。


「ゴメン。家遠くなっちゃったよね…」


「ううん、大丈夫。それより…、なんか考えてたみたいだけど…」


「あ、ああ…。僕の笑顔が好きだとか言ってたから、何でかなあって」


途端に顔を赤らめる南さん。あれ…? なんかまずいこと言ったかな?


「…もう! ずるいんだから…!」


ええ…⁉︎ ず、ずるいって何が?


「今さ、何でって考えてたでしょ〜」


「ええ⁉︎ な、なんで分かったの?」


「…いつか、必ず分かるから大丈夫だよ…」


急に落ち着いたトーンで、夜空を見上げる南さん…


僕も夜空を見上げる。澄んだ夜空には、数えきれないほどの星が瞬いていた。


そっと南さんを見た。何だか、さびしそうな横顔だった…