「遅ーい!!」


校門の前に着くと、南はいきなりふくれっ面になった。


「なんだよー。ちょっと寝坊しちゃって」


南も一緒に歩き出す。


「へー。浦上くんもけっこうマヌケなとこあるんだ!」


「はあ?  お前に言われなくないよ」


「へへっ。冗談、冗談!  すぐ真に受けるんだから」


「わ、悪かったな…。それより、熱はもう大丈夫なのか?」


「このとおり。元気いっぱいだよ?    あ、あと、手紙…、ありがと!   浦上くんの手紙読んであたし、元気になった」


「それは良かった!」


嬉しかった。すごく。



空を見上げた。雲一つない、快晴だった。