「行って来まーす!」
僕は勢いよく玄関を飛び出した。
なんということだ。既に時刻は8時を過ぎていた。
久々に寝坊してしまった。急ぎ足で歩く。
ようやく農道までたどり着く。登校途中の生徒が同じように何人かいた。
「よ! 浦上」
青木が横に並ぶ。
「青木! おはよう」
「おう。おはよー。珍しく遅いじゃん今日は」
農道を曲がる。学校はもうすぐだ。
「ちょっと寝坊しちゃって」
「へー。珍しいな」
「そうなんだよ。夜更かしなんてしてないし」
「お! じゃ、オレ先行くわ」
「え? お、おい! 青木?」
青木は速足で歩き去った。何だ?
視線を前に移す。校門前でニコニコしながら、女の子が手を振っている。
よく見ると、南だった。