青木が手を挙げた。
「はい、じゃあ。青木くん! 黒板に書いてみて」
「はい」
そう言って、青木は黒板に 哀 と書いた。
「はい、青木くんありがとう! 他に分かった人いる?」
そう、先生は生徒の回答を必ず複数出させる。それが正答であろうと誤答であろうと。
そして、回答を模範回答と比較。それぞれの違いを示す。
さらに、その違いを利用して、正答への思考へと誘導させ、理解させる。
…また、余計なこと考えてる。 先生か僕は。
なに1人で漫才やっているんだか…。
そんなこと考えているうちに、青木が席についた。