「なに話してんだ?」


三浦がやって来た。


「おっ、颯太じゃん。おはよ」

関が三浦を手招きする。


「おはよ。で?」


「ああ。浦上とさ、大切なものってのは無いと初めてその良さとか、価値が分かるんだぜっていう話してたとこ!」


「なるほど?  たまにはお前もいいこと言うじゃねぇか」


「はあ? 俺はいつもいいことばっか言ってんぞ」


「そうだった、そうだった。悪かった」

笑いながら三浦は言った。


「そんで?  浦上は何を無くしたって言うんだ?  高価なもんなのか?」


「ちげーよ。つか、ものじゃねぇ」


そう言うと、関は視線を南の机に送る。


「なるほどな。浦上、がんばれよ。別に悪りぃことじゃねぇし。何かあったら相談しろよな!」



三浦はそう言うと、自分の席へと戻った。