私が出掛ける準備を終えた頃、伊津希お兄ちゃんは起きた。
「ん?どこか行くのか?」
「遊園地行くの」
「そうか。なら俺も着いて行こうかな」
「え!だ、ダメだよ!」
「えー、なんでダメなんだよー」
「悠太と行くから……」
「はっ、もしかして付き合ってるのか!?」
「う、うん」
なんか恥ずかしいなぁ。
「じゃあ、今日はデートか」
「だから、伊津希お兄ちゃんとはまた今度ね?」
「よし、俺も着いて行こう」
「なんで!?」
結局、私が止めても伊津希お兄ちゃんは無理矢理着いてきたのだ。
「僕と千代は一緒に回るけど、伊津希にぃとは別々に行動するからね」
「悠太、そんな事言うなよ。久しぶりなんだから。昔話でもゆっくりと___」
「邪魔したいだけの癖に」
「ギクッ」
ギクッ、って……
「まぁ、ここまで着いて来ちゃったんだから仕方ないよ。一緒に回ろう?」
「ち、千代!?」
「ほら、千代だってこう言ってるんだから」
伊津希お兄ちゃんは誇らしげな顔を向ける。
「はぁ……」
悠太は諦めたようにため息をついた。