「あった…!!」


部屋から持ってきたロウソクで石版を照らす。


「あっ!?」


なんと、石版の文字が読めるのだ。


「ふむ、なになに?
『文字に通じし者我らの前に現れし時』……」


だめだ。

そこから文字が削れていて読めない。


その時、屋敷の廊下を歩く音が耳に入った。と、同時に暗闇にムサシの顔が浮かびあがる。


「姫!!何をなさっているのです!」


急いで石版を着物のふところに隠す。


「もう寝るから寝るから!」

グイグイとムサシを押して、

部屋に戻り石版を取り出す。