「たすけて!!」
そう言って寝言を叫び夜中に飛び起きる。
それが私、夜乃(やの)の日課になっていた。
毎日うなされ、同じ夢を見ている。
「うるさいな、まったく」
そう言って何だかんだ私のことを面倒見て
くれているのがこの家の令嬢である
春夏冬 羽乃(あきなし うの)だ。
二年前私はたった1人の家族であった
母を亡くした。
能力者の血を引く私を不気味がって誰も
私に近寄ろうとしなかった。
そんななか
「ねぇ、私が一緒にいてあげようか?」
正直上から目線でムカついた…
けどそれ以上に真っ直ぐな目と
差し出してくれた手が優しかった。