それは突然の出来事で
大気中の雨粒は
僕の体の中をとてつもない速度で駆けて行く
それは一日の蒸し暑さを忘れさせてくれるような
それは一日の煩わしさを忘れさせてくれるような
僅かな
僅かな
音が
体の中を駆け巡る
ハロー
ハロー
それは一瞬の僅かな出会い
部屋の灯りをそっと消して
手の中に包んだ星屑プラネタリウム
薄目を開いて覗いた
銀河の果て
くるくるくるくる回る中
一人浮かぶは僕の躰
宙に投げ出され
ふわふわ浮かべば
目の前に見えるのは星の灯りだけ
掴む為 ではなく
ただ 寄り添うため
灯りはちらほら
ともって往く
一つ また 一つと
君が嫌だと言ったなら
止まってしまう
僕らの関係は
必死に繋ぎ止めたくて
必死に守りたい
関係だった
干渉し過ぎはせず
踏み込み過ぎもせず
ゆっくり流れる空間が
僕は好きで堪らなかった
どうして何だろうか
常に求めて居た温もりも
今では諦めかけてしまっている
どうしたら戻れるだろうか
安心を与えてくれた
あの日々に
どうしたら笑わせられるだろうか
心の
底から
見えぬ祈りにも似て居るその声は
僕の耳のずっと深い所だけでまだ響いている
確かなことは
唯一つ
『僕は、君が好きだよ』
そんな、
君、が
砂に描いた文字をなぞった
消えぬようにと追い掛けた
ナイテナイテナイテナイテナイテ
夜明けをひっそり待つんだベイビー
狂った歯車
追い掛けよう
潜んだ闇に
HelloHello
存在
証明
利益
懺悔
そうやって過ごす日々
与えられたもの
笑顔の価値
砂粒1つ落とさずに
生きて
往けたら
『いい のにな』
見えぬものを探すから
人には心があるんでしょ
そう言った
君の
言葉
耳元で
『リフレイン』
明日を夢見ること
だなんて
今の僕には
難しすぎるよ
だから
望む
君と居る日
だけどそれすら
『怖くなってく』
そんな時
君は言う
ミエヌカラミエヌカラミエヌカラ
『一緒に歩こう 探して行こう』
存在
証明
希望
勇気
砂に書いた文字をなぞって
手を繋いで
見えぬ明日は描き出そう
何度も何度も
君と 二人で、
『リフレイン』
細い指を
そっと絡め
二人で歩いた 寒い寒い冬の日
『すき』
目を見ては言えずに
そっと呟いた一言
きっとあなたは
『何?』
っていつもの柔らかい笑顔で振り向くんだ
白い息が溶けていく
雪はちらほら降り出して
このまま二人だけの世界に行けたら、なんて
二人で居る時間が全てで
一緒に居られるだけで幸せだった
涙が溢れるような幸せも
春の日溜まりのように
心に広がっていく想いも
全てあなたとだけ感じられるものだった
一人で過ごすには長すぎる夜も
不安で膝を抱えた夜も
そっと頭を撫でてくれる
大きなその手が
大好きで
大好きで
嬉しくて
涙が溢れた
『お互いのため』とか
『あなたの未来のため』とか
全部本当の想いだった
だけど
お互い一番つかいたくなかった思いやりだったのかも知れないね
『すき』と
目を見て言うのは難しくて
そっと呟く
そんな幸せを
あなたの側で
噛み締めていた
涙が出るほど幸せで
ただ側に居られれば嬉しくて
『すき』
そんな想いが
指先からじんわり伝わっ
ていけばいいのに
両手では抱えきれないこの想い
そっと絡めた指先から
温度は広がる
いつか運命が二人を分かつ時が来るかも知れない
でもその時まではどうか
どうか
詰まるような息を吐き出し
そっと呟いた
『ここ最近泣いてないなあ』
カンジョウヒョウゲン、上手くいかない
いつも笑顔の仮面
合わせて頷く
張り付いて居る
『ここ最近、疲れたなあ』
そう言いながら背中を丸める
仕事帰りのサラリーマン
頑張り過ぎるな、そう呟いて
そっと胸が軋む
ふんわりとコーヒーに広がって行くミルクの様な
温もりを求めていたのかも、
『そんなのクダラナイ』って言いながら
『一人が好きだって言う人間は』
いつかの誰かの言った言葉
『本当は一人が恐いのかも知れないね』
暗闇で沈むように
泳ぐ金魚 追い掛けて
すい、と泳ぐように駆けて行く
少し休んだらまた走れば良いよ
あの人に言ったのか
自らに問うたのか
すいすいすいと
泳ぐように駆けて行こう
少し溜め息つきながら
少し足を緩めながら
小さなことをかき集め
それを幸せと呼べたなら
もっと上手く笑えたかも、なんて
現実逃亡
そんなことしたって意味無いんだぜ?
ふと笑う死神の顔
いつだって
必ず見える
黒い十字架
自分を傷付けるのが自分なら
癒すことが出来るのも自分だろう
そんな上手くはいかない
その、考え
小さな幸せをかき集めたら
ほんとの笑顔で笑えるかな
途方もなく
希望だって幸せだって無いかのように見えて
だけど割とそばに居た
居て、くれていた
見えぬものがあるのなら
少し立ち止まってみたのなら
変わるものもあるのかな
さみしいんだ さみしいんだ
気付いて欲しいんだよ
そうやっていつでも欲しがり
繰り返してきた
こわいんだ こわいんだ
無理なんだよ
どうしても出てしまう
所詮全身棘だらけ
見失う見失う
いつだってそうやって繰り返してきた
それならいっそ
願うのに
出来ないそんな僕はチキン
オーディオから流れてくる音楽にいつだって身を任せ
くるまっては過ごした
分かって欲しい
分かってるんだホントは
いつも欲しがり強がり僕はチキン
さみしいんだ
さみしいんだよ
そっと溢した一言は
虚しく響く暗がりの中
『どうせなら』呼吸を止めてしまいたい
そう願った1秒手前
小さく光った灯
どうしても腕は止まらず
深く突きたてた
痛みが教える
ほんの少しの暖かさ
『自分の存在意義わからないの』
そう嘆いたのならば
悲観ととられるのだろうか
悲劇のヒロインぶってる?
そう言われるのだろうか
いつだって寂しさと狂気は相対するものなんだ
寂しいから込みあげて
痛みに触れて
少し落ち着く
『滑稽だ』
と言われても
止められることなんて出来なくて
いつかのミュージシャンが言った言葉
いつもそれだけが支えで
痛みを感じたらそしたらほんの少しだけ
その言葉に甘える
すがるように
いつだって
たった一つ絶対的に光る言葉
寂しいんだ
ただそれだけなんだ
どこまで貪欲なのかと
自分で自分を嘲笑う
せせら笑う
痛みを突きたてて
ふりかざし
ほんの少しの灯に依存する
出口はまだ見えぬ
遠い果て