陸がこの町に来たのは

税の取り立てだけてまはない

表には出ていない港での他国との売買の実態を押さえるため

国が認めてない取引がなされてるのはもちろん

一般市民まで事業に巻き込まれているという噂がある

昨日、領主からははぐらかされ

実態をとらえることにならなかったため

港に直接足を運ぶことになり

聞き込みや、一か所での観察を行っていると

1つの船に動きがあるのがわかった

直接乗り込んでも…これという作戦はなく

じわじわと情報と入り込む隙を伺っていると

帽子を深く被った昨日の男が船に

入り込もうとしている

「何してんだ?そんなとこで?」

「ちっ」

男は舌打ちをし声を掛けてきた陸を睨む

「なんであんたここにいんだよ。邪魔するな」

「僕と手を組まないか?僕はこの船の実態を握るためにここにいる。昨日のやり取りからして君は反対派だろう?手を組むのに不利はないはずだ」

「俺は貴族がキライだ」

「見た感じ貴族ではなさそうだが、君は魔力持ちだろう?何者だ?」

「何者でもない。あんたに構ってる暇ないんで」

「おい!」

船にするりと入っていく男を陸は後を追う