2日目は仕事が少なくてすぐに悠朔に伝えて一緒に回った。
この学校には、後夜祭というものがなく文化祭が終わると即解散なんだ。
去年は、その後打ち上げとか色々やったな……なんて思い出す。
「さおりん!」
急に呼ばれたことのないあだ名を後ろから呼ばれて驚きながらも、振り返った。
「……ヒロさん!?」
「あれ、驚いちゃった?」
クスッと笑うと私の腕を掴んだ。
昨日の今日でなんとなく会いにくかったんだけどな………
昨日、悠朔が怒っちゃって引き離されてから全然会わなかったし……
「どこに向かってるんですか?」
私の腕を掴んで前に前に進んでいく。
今、先輩が向かってるのは校門。
「……沙織に会いたいって人がいるんだ。」
ニコニコして応える。
……私に会いたい人なんて、変わり者なんじゃないかな?