幸せだなと、ふと思った。
でも、そう思うと怖くなってくる。
だって……幸せだと思うほど不安になることはないから。
秀樹とだって、幸せだと思ってて裏切られたわけだし……
それに、、、
私はきっと貴方とはずっと一緒には居られないと思うから。
「沙織、別れるなんてこれから絶対に言うな!」
悠朔は、睨むかのように少し体を放して私の目をみた。
……ごめんね、それは誓うことできないかもしれない。
「………ぅん」
わかってるのに、嘘をついてしまう。
彼と一緒にいるのはいつか難しくなる。
「さよなら」の言葉はそんなに軽くない。
ぎゅっともう一度抱きしめられると離れて手を繋いでくれた。