その瞬間、頭に悠朔の顔がよぎった。


……でも、距離をおいてる今悠朔は他人と同じだから。


香奈美と回ろうとも思ったんだけどね。。


香奈美には断って、ヒロさんと回ろうかな?


「ムリならいいから……」
「一緒に回りましょ?」


そう言うと目を見開いて私をみてきた。。


「ヒロさーん?」


「………」


「ヒロ先輩?」


「………」


「ヒロ!」


「…沙織、明日の後夜祭で言いたいことがある。」


「今じゃダメなんですか?」



縦に首を振るヒロさん。



顔がほんのり赤くなってる気がするんだけど、気のせい?


ヒロさんが印刷を終えると、ホッチキスで留めて配りに行った。



私はまだ知らない、あの人の本当の顔を……


本当の想い、私に求めようとしてる言葉も……