コピーのできる事務室に向かう途中、たくさんの人とすれ違った。
その中には、友達や恋人と回る人や親子で来てる人がいた。
文化祭は、青春を感じられる行事だと思うんだ。
だから、本当は実行委員としてじゃなくて普通に回りたいと思ってたのに……
こんなんじゃ、青春も何もできないよ。
事務室に入るといつもいるような先生が不在だった。
「じゃっ、使おうかな?」
なんて独り言を呟くヒロさんは何か私に遠慮してるみたいだった。
「……本当は何か言いたくて私を連れてきたんですか?」
ビクッと体が跳ねるのを見て確証した。
「沙織、俺と今日まわらない?」
「今日、仕事が終わってからですか?」
「嫌だったら断っていいよ?」
今日のヒロさん珍しくビビってるな……