なんで、そんな色っぽい声を出して囁くのよ!


「………そうだけど?」


「まぁまぁイケメンだな。」



『まぁまぁ』って、この学年の中でイケメン分類に余裕で入ってるよ?
……悠朔には負けるけど。



「沙織、ヨリ戻そうかな、なんて考えるなよ?」


「考えることもダメなの!?」


「当たり前だろ!お前が別れようとか言っても放さねぇーよ?」



その言葉に、体が凍りついた。



ようやく体を離してもらいカバンを持つと、何もなかったかのように悠朔が寄ってきた。