切り傷やアザが増えていく腕は、痛々しかった。

私が押されている状況なのは、一目瞭然だ。

身体の限界に一刻も早く繭から抜け出すことが賢明に思えた私は〝防御〟を捨てることにした。

身体を顧みずに強行突破するのだ。

無事じゃ済まないのは、当たり前だ。

身体の限界の方が先に訪れるかもしれない。

「でもね、やるしかないじゃない!」

私の右足が、地を力強く蹴った。