家に帰ったあたしは即座にベッドに転がった。

「疲れた…」

あたしの家から高校は電車で約1時間ほどかかる。

通うだけでも疲れる。

でもあたしはこの学校に通いたい理由があった。

それは、憧れてるダンサーの人がこの学校の卒業生だから。

その人に少しでも近づきたくてこの学校を選んだ。

だから疲れるけど苦にはならない。



あたしは着替えようとブレザーを脱いだ。

その時ひらりと何かが落ちた。

「あ…」

それは今日大和にもらった紙だった。

雑な字で数字が並べられていた。



あたしは無意識に携帯を探していた。

数字を順番に打っていく。

あとは発信ボタンを押すだけ。

押すだけなのに…

勇気が出なくて、手が止まる。

「どうしよう。迷惑かな?」

後々の事を考えて動けなくなるのがあたしの悪い癖。

「何緊張してんだろう…」

あたしは発信ボタンを押した。