『なるほど…だから
ゼアノスが嫌いなのね』
アリスがジェンに話しかける。
ジェンは軍神が立ち上がると同時に跪き、絶対的忠誠を誓うかのように頭を下げたままアリスの言葉を流した。
『貴様らはゼアノスを知るのか』
変わりに軍神が口を開く。アリスはそのまま相手を変えて話を続けた。
『知ってる訳ではないけど
私の使う剣術の開祖は
ゼアノス・ヴァンガードその人よ』
有りったけの皮肉を込めて軍神に話す。
その時、アリスの言葉の後ろで、シュバルツの悲痛な叫びが聞こえた。
―――クリスの心臓が…止まった…?
天地が引っくり返りそうになる言葉だった。その言葉にアリスの心音がいつもより強く、胸で暴れる様に心臓が動いているのを感じた。
『ヴァンガード…
その一族は消し去ってやる
そこで眠る末裔の様に』
『…!!!』
シュバルツの叫びが耳に届いたのであろう、軍神が口の端を上げてアリスに言葉を向ける。完全にアリスの同様を読まれた上での発言だった。
アリスはその言葉を返すことが出来ないまま口を継ぐ。
とにかく目の前の軍神に集中することにして、視線を外さぬ様、全身像を見据えて自分の中に入り込んだ。
『安心しろ
貴様も今すぐ送ってやる』
視界の上方で汚い笑みが浮かぶ。太刀を握る手が自然と強くなった。
ゼアノスが嫌いなのね』
アリスがジェンに話しかける。
ジェンは軍神が立ち上がると同時に跪き、絶対的忠誠を誓うかのように頭を下げたままアリスの言葉を流した。
『貴様らはゼアノスを知るのか』
変わりに軍神が口を開く。アリスはそのまま相手を変えて話を続けた。
『知ってる訳ではないけど
私の使う剣術の開祖は
ゼアノス・ヴァンガードその人よ』
有りったけの皮肉を込めて軍神に話す。
その時、アリスの言葉の後ろで、シュバルツの悲痛な叫びが聞こえた。
―――クリスの心臓が…止まった…?
天地が引っくり返りそうになる言葉だった。その言葉にアリスの心音がいつもより強く、胸で暴れる様に心臓が動いているのを感じた。
『ヴァンガード…
その一族は消し去ってやる
そこで眠る末裔の様に』
『…!!!』
シュバルツの叫びが耳に届いたのであろう、軍神が口の端を上げてアリスに言葉を向ける。完全にアリスの同様を読まれた上での発言だった。
アリスはその言葉を返すことが出来ないまま口を継ぐ。
とにかく目の前の軍神に集中することにして、視線を外さぬ様、全身像を見据えて自分の中に入り込んだ。
『安心しろ
貴様も今すぐ送ってやる』
視界の上方で汚い笑みが浮かぶ。太刀を握る手が自然と強くなった。