「大丈夫ですよ!それより…
大翔先輩は彼女とか作らないんですか?」



…って!私なんてことを聞いてるんだ!



しかし言ってしまったことは仕方ないし、
ちょっと、気になるから…。



「そうだね…作る気ないんだ」



そういった大翔先輩はなんだか悲しそうで
辛そうで…



どこかへ行ってしまいそうな気がした私は…



大翔先輩の制服の袖をぎゅっとつかんだ。



「柚乃ちゃん…?」



「変なこと聞いて…ごめんなさい。
もう聞かないから、そんな顔しないで…」



先輩であることを忘れて、敬語を外してしまったのも気にならなくなっていた。



大翔先輩は目を見開いて私を見ている。