わたしが文芸部の誘いを断ったという噂は、もう学校中に流れていた。


それからというもの…。


「またか…」


靴箱に暴言を書かれた紙がぎっしり。



私は全部ゴミ箱に捨て…。



ようと思っていた。


その紙の中に内容の違った紙が入っていた。


「入学式で一目惚れしました。

放課後、体育館裏に来てくれませんか?」


という内容の紙だった。



これは、いわゆるラブレター…か。


これは行かないと失礼かな…?


わたしを騙してなにかされるかも知れないけど。


一応行くか…。


そう決心し、上履きを出し…。


靴箱の中を触っても、上履きは無かった。


そのかわりにトイレのスリッパが入っていた。


「履くものあんじゃん。履くものはちゃんと用意してくれるんだ…。」



ぼそっとつぶやいて、


トイレのスリッパを履いて歩き出した。