「でも、邪魔になったら悪いから」
真夜さんのことを頭に浮かべながらそう答えると……。
「邪魔なわけないじゃん。見ててもらえると頑張れるんだよ。な、龍平」
すかさず雄介君が口を挟むと、結城君は少し照れくさそうな顔をしながら小さくうなずいた。
「ホントに? それじゃ、また行くね」
結城君が私を受け入れてくれているようで、泣きそうにうれしかった。
「茜、雄介に聞いたよ。結城君といい感じなんだって?」
その日の帰り、理佐が私を見つけて駆け寄ってきた。
「いい感じって……ただの競泳ファンと思われてるだけだよ」
「そんなこと言ってー」
結城君の胸の内なんてわからない。
でも今は、辛いときに支えられるファンでいい。
彼の復帰がなにより大事だから。